特集 | 磐田の祭り
磐田の秋は、祭りで満ちる。湊の富が彫った掛塚の屋台、海の六柱に捧げる福田の声、国府と御厨の古い格式、暴れ天竜と向き合う厄流し、そして明治の村が一社に集う郷社。九つの地区それぞれに、由来の異なる祭りが息づいている。地区の色と、その成り立ちからたどってみたい。
祭りは、土地の記憶が形になったものである。なぜそのまちにその祭りがあるのか――港だったから、漁師町だったから、国府が置かれたから、川と闘ってきたから。由来をたどると、磐田という土地の成り立ちそのものが見えてくる。ここでは市内の主な祭礼を、五つの系統に分けて並べた。
遠江国の中心地、そして伊勢神宮の御厨という古層に根ざす祭り。
天竜川河口と遠州灘――海の富と祈りが育てた屋台と神事。
暴れ天竜の水難を鎮め、厄を流す。川とともに生きるまちの祭り。
明治の神社合祀が生んだ、村々が一社に集う新しい祭りのかたち。
農と暮らしの安寧を願う、台地と里の氏神たちの祭礼。
ここに記したのは、現時点でたどれた範囲の祭りである。向陽・豊岡をはじめ、まだ十分に書けていない里の祭礼も多い。地域の記憶を少しずつ書き足しながら、この特集を育てていきたい。
古い地名や集落の成り立ちを調べていると、 家や土地には、登記簿だけでは分からない地域の記憶が残っていることがあります。
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